関西は、先週半ば頃から一気に春めいてきました。2日ほど前に訪れた施設のお庭では、ミモザが咲き誇っていて、足元にはスミレの可愛い花もチラホラ。
暖かくなると気分も明るくなりますね。
「日本国民皆保険」がタテマエ
今日は保険のお話をさせてもらいます。保険といっても、死亡したらいくら入るとか、車で事故ったときの保障はどのくらいとか、そっち系の保険ではありません。
病気やケガで医院や病院を受診する際に欠かせない保険証。そう、今日の記事は「健康保険」についてのお得な情報です。私のような業種の個人事業主の方には、特に有益ではないかと思います。
日本で暮らす人は、何らかの「公的医療保険(健康保険)」に加入することが義務になっています。そのタテマエのもとで話を進めますので、
「私は絶対に病気もケガもしないから医者にかかる可能性がない!」と断言する方や(そんな人いるのかしら?)
「お金いっぱいあるから、いつも自費診療」という方。(お金持ちほど、ちゃんと保険代を払ってほしいな)
逆に「お金がなくて、保険代が払えないから国保の取り立てをバックレてます」なんて方。
そういう方々には、おそらく無用の提案になりますのであしからずm(_ _)m
国保って高いよね?
日本の健康保険の制度をザックリとまとめると以下の通りです。
【満74歳までの加入先は4つ】
1)組合管掌健康保険(健保組合)
・規模が大きい企業の社員とその家族が加入
2)全国健康保険協会(協会けんぽ)
・中小企業の社員とその家族が加入
3)各種の共済組合
・公務員とその家族が加入
4)国民健康保険(国保)
・主に自営業者をその家族やその他の1~3に属さない人が加入
賃金をもらって働く人の総称を被用者ということから、1~3は「被用者保険」と呼ばれています。それに対して、4の国保は住んでいる市町村が管理運営している保険です。そのため「地域保健」と呼ばれます。
この記事で語る対象になるのは、地域保健である国民健康保険(以下、国保)です。おそらくこのメルマガ読者の中にも国保の方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?かくいう私も国保です。
私の保険の変遷を書いてみると、
・社会人として就職するまでは父の健康保険の「扶養家族」
↓
・就職後、結婚するまでは、勤務していた会社の健保組合の「本人」
↓
・結婚後の専業主婦期間は、夫の会社の健保組合の「扶養家族」
↓
・自分で稼ぎ始めた翌年、収入が夫の扶養枠を越えたので国保の「世帯主」
↓
・昨年からは「京都芸術家国民健康保険」の「組合員(本人)」
(※住民票の世帯主と国保の世帯主は必ずしも同義ではありません。)
以上の保険ヒストリーを持つ私ですが、「国保、高っ!」っていつも思っていました。私の周りでも国保の保険料を重い負担に感じている人がけっこう多いです。
市町村の国保より安い国保
やんちゃでケガばかりの長男と虚弱児でアトピー持ちの娘は、夫の健保の扶養家族のままなので心配ありません。でも、私も歯医者だ眼医者だと、かなりの頻度でお医者のお世話になるので、「高い、高い」とこぼしつつもずっと真面目に国保料を払ってきました。だって、やっぱり保険証がないと不便かつ不安ですからね~。
そんな私が2年くらい前に行ったWordPressの勉強会で、「京都芸術家国民健康保険」の存在を知りました。勉強会で仲良くなったWebデザイナーの女性が教えてくれたのです。この保険の名称をパッと見ると、「京都に住んでいる芸術家のための国民健康保険」って感じるかも知れませんが、加入対象は意外に広範囲だし、規約もそんなに厳しくないんです。
もっとも大きな魅力は、「内容が国民健康保険と同じなのに、保険料がすごく安い!」ということ。
どのくらい安いかの計算例が下記です。
※概算なので、実際の金額とは差異があるのでご注意下さい。
※総所得をベースに算出しています。
※私の住居地における計算例です。
※表示した金額は保険料の年額です。
※ひとり世帯の40~64歳対象
【300万円の人の場合】
・国保=約415,000円
・京都芸術家=約318,000円
【400万円の人の場合】
・国保=約528,000円
・京都芸術家=408,000円
【500万円の人の場合】
・国保=約638,000円
・京都芸術家=約485,000円
ザッとこんな感じで、保険料がかなり安くなるのがおわかりいただけると思います。しかも収入額が高くなるごとに、国保との差額が大きくなるのはご覧のとおりです。加入条件さえあっていれば、フリーランスの人が加入するにはもってこいの保険といえるのではないでしょうか。私自身も年額にして10万円以上も保険料が減りましたヽ(^o^)丿
京都芸術家国民健康保険について
それでは、京都芸術家国民健康保険の内容についてお話します。名称が長いので、以降は「京芸国保」としますね^^
【京芸国保の加入条件】
・加入するための資格
芸能、美術、工芸、伝統工芸、その他芸術関係の業務に専ら従事する個人事業主であること。その世帯に属する家族も被保険者として加入することが可能。
※職業例
芸能、美術、工芸、伝統工芸など職業全般、音楽家(ピアノ講師、楽器奏者、音響など)、ウェブデザイナー、映像制作、アナウンサー、司会、スポーツコメンテーター、デザイナー(商業、服飾など)、コピーライター、エッセイスト、漫画家、レタリング、トレーサー、ディスプレイ、彫刻家、革バックの製作、アートコーディネーター、朗読家、翻訳家など。
※新たな職種で加入申込があった場合は、常務理事会にはかってから追加を検討。
※建築デザイン、工業デザインに関わる職業は加入不可。
・住居地とその他の条件
住民票の住所が次の認可区域内で、現在は世帯全員が健康保険加入中、もしくは社保離脱直後であること。
※認可区域
京都府全域、大阪市、高槻市、茨木市、枚方市、島本町、箕面市、豊中市、交野市、奈良市、生駒市、生駒郡斑鳩町、大津市、草津市、守山市、栗東市、甲賀市(旧信楽町)、近江八幡市、西宮市、尼崎市、川西市、
加入手順
【申込受付期間】
毎月20日から月末まで
【事務局へ出向く】
加入手続きに1回、保険証受取に1回、合計2回事務局へ行く。
【申込手続きの際に必要なもの】
※必要書類
・加入者全員の現在の健康保険証
・19歳以上全員の直近の「住民税納税通知書」
又は「課税証明書
・直近の確定申告書B(控)と
第1表、第2表(職種の確認の為)
・加入者全員分の住民票(マイナンバー記載済のもの)
・ゆうちょ銀行か京都銀行の通帳と届出印
・認印
・組合員の顔写真付きの身分証明書(写し)
・仕事の内容がわかる資料(納品書や請求書などの写し)
※本人以外(事業主)の家族などが来所の場合は、委任状と来所者の身分証明書(顔写真付)
※所属団体から加入の場合は団体名簿(HP参照)
※確定申告の職業欄が「空欄」「自営業」「デザイナー」などになっているのは不可
(何のデザインかわからないため)
※呼称を記入するのが難しい場合(特殊なデザイナーなど)は仕事内容のわかる資料(納品書・請求書の写しやDMなど)
を提示。
【加入審査】
月に1回の役員会で加入審査を行う。
【加入承認】
自宅宛てに承認通知のハガキが届く。
【保険証の発行】
審査月の翌月1日付けで発行
※但し、受取は事業者本人の来所のみ。郵送はなし。
【保険証の受け取り時に必要なもの】
・組合加入金=3,000円
・京都芸術家協会入会金=500円((個人加入者)
わざわざ京都まで2回も行かなくちゃいけないし、用意する書類も多いし、面倒くさそうって思いますか?
でも、年間にして十数万円程度の保険料負担が減るとしたら、申込みの手間なんか何のそのじゃないでしょうか。
加入できない場合
ただ、以下のようなケースもありますので、注意して下さい。
・加入審査の結果、必要に応じて健康診断書の提出要請あり。
・審査の結果、加入申込を断られる場合あり。
・株式会社、有限会社等の法人事業所は加入不可。
・事業主本人が70歳以上は加入不可。
最後に
ここまで、京芸国保の概要をまとめてご案内しました。さらに詳しい内容はHPをご覧ください。
【京都芸術家国民健康保険組合のサイト】
「芸術家」なんていう文言がついているので、自分は該当しないと早とちりした方もいるかも知れませんね。
上記にあげた職業例や、それに近い職種ならほとんど加入が可能です。提出書類の工夫ひとつで加入できるケースもあるので、一度検討してみて下さい。
逆に、「わ~、今の保険料よりダンゼン安い!私も加入したい」と思っても、純然たる「物販」だけの事業主は加入できません。ごめんなさいm(_ _)m
アクセス
・JR大阪駅→京都駅
・京都駅から市営烏丸線に乗り換え→丸太町駅
・丸太町駅の6号出口から出て、右に進むとすぐ
類似の国保
前述の住居地に該当しない方で、職業は該当している方には、京芸国保と類似の国保があります。
【文芸美術国民健康保険組合】
【大阪文化芸能国民健康保険組合】
本日の記事は、フリーランスで一生懸命がんばっている皆さんの保険料負担が少しでも軽くなるといいなと思ってお届けしました。
では、今日はここまで(^_^)/~